15:38:01
「3週間後に迎えにきてね!」
という約束だけを残し、彼らを乗せた水上機(水面上で離着陸できる小型飛行機)は見えなくなっていった。
そこはカナダの大自然。
人が住んでいるわけもなく、もちろん車でそこへ向かうための道もない。
文明からは遥か彼方となる秘境の波を求め、ティミー・ターナー、イアン・バトリック、ラフそしてラム・マンの4人のサーファーは、ウェットスーツ姿でその地に到着します。
なぜなら、水上機からキャンプへの荷物の搬入は、頭の上に荷物を掲げながら、冷たい水につかってという方法だったから。
水の中ではシャチやアシカ、アザラシや鯨までもが共存。
これらが突然現れた人間に向かってこなかったこと、そして上陸を果たす際には、そこを漁場とする熊が襲ってこなかったことも、ラッキーなスタートといえるだろう(イアンはこのカナダに到着する直前、インドネシアの恐ろしい大地震に襲われましたが・・こちらも無事、通過)
何が起こっても、3週間は電話やネットといった、通信手段はない状態。
クルー全員の知恵と経験、そして持ち込んだ、ほんの少しの文明が全てという野生的なサーフトリップが、そこにはありました。
彼らはサーフィンよりもまず、明るいうちに生き延びるための環境を整えます。
水道は川の水を利用、食料用に魚釣り、料理と暖・灯りとりのための薪を調達。
お手洗いは・・そこいらへん(笑)
道中、そのお手洗で恐ろしい目に遭ったのは、フォトグラファーのシャーピー。
海を見ながら用を足していたら・・・たった5m先に巨大熊が出現。
シャーピーはその熊と目が合ったまま、5分間微動だにできない状態。
それでも熊は全く動く様子がないので、下半身はそのまま、意を決してジワジワとすり足で移動。キャンプへどうにか戻ります。
この時点でも、キャンプと熊はまだ10mの距離。相変わらず離れる気配がなかったので、ラム・マンが、とうとう猟銃で威嚇射撃!
すると・・逃げるどころか、今度は両足で立ち上がった!!
ドキドキしながら威嚇用の爆竹を鳴らすと、やっと退散。
グリズリー・ベアー。
同じ森に寝床を構え、漁場を拝借していたのですから、新たな住民に興味を示すことは当然こと。
それでも万が一襲ってきたら・・彼らはどこへ行くにも、常にライフルとともに行動しました。
こちらはキッチン。
釣り上げる魚が鮭ばかりなので、朝食、ランチにディナーと、ひたすらシャケのごちそう。
どうりで、グリズリーが好んで生息するわけです。
ちなみに食器は、薪も兼ねた木製なのだ。
日が沈むと。夜行性のオオカミも付近へやってきて、遠吠え。
ある夜には、テントの外でクーガー(アメリカ・ライオン)による喧嘩さえありました。
そんななか、いよいよ最初の大きなウネリが到達!
そこで目にした光景は・・まるで無人のハワイ・バックドアのよう。
ダブルアップして底掘れする、リーフブレイク。
猟銃をサーフボードに持ちかえ、ラインナップへ向かいます。
文明と距離をおき、命を自然にさらした危険と引き換えに、海藻だらけのバック・ドア波を貸切で堪能することに成功したのです。
異なる国籍同士で過ごした、ワイルドライフの3週間。
猟銃で実際に森の生物を撃ち抜くことや、熊に襲われることもなく、威嚇射撃のみで無事帰還。
この旅で一番恐怖だったのは、海獣や猛獣ではなく、ティミーが干潮時にリップとともにボトムに打ちつけられ、被っていたヘルメットが割れたときだそう。
実はティミー。雨のハンティントンのバクテリアからブドウ球菌感染症にかかり、過去に6回もの脳手術を受け、再び海へ戻ったサーファー。
誰もが彼の脳のことが一番心配でしたが、医者もライフラインもない場所で、肋骨を数本折ったまでだったのは、ある意味奇跡。
そう、彼らは再び生き延びたのです。
「本当によい波になったのは、たった3日間だけでも。そこにはたとえようのない、素晴らしい価値がありました」-Sharpy
この物語は、ノンフィクションです。
という約束だけを残し、彼らを乗せた水上機(水面上で離着陸できる小型飛行機)は見えなくなっていった。
そこはカナダの大自然。
人が住んでいるわけもなく、もちろん車でそこへ向かうための道もない。
文明からは遥か彼方となる秘境の波を求め、ティミー・ターナー、イアン・バトリック、ラフそしてラム・マンの4人のサーファーは、ウェットスーツ姿でその地に到着します。
なぜなら、水上機からキャンプへの荷物の搬入は、頭の上に荷物を掲げながら、冷たい水につかってという方法だったから。
水の中ではシャチやアシカ、アザラシや鯨までもが共存。
これらが突然現れた人間に向かってこなかったこと、そして上陸を果たす際には、そこを漁場とする熊が襲ってこなかったことも、ラッキーなスタートといえるだろう(イアンはこのカナダに到着する直前、インドネシアの恐ろしい大地震に襲われましたが・・こちらも無事、通過)
何が起こっても、3週間は電話やネットといった、通信手段はない状態。
クルー全員の知恵と経験、そして持ち込んだ、ほんの少しの文明が全てという野生的なサーフトリップが、そこにはありました。
彼らはサーフィンよりもまず、明るいうちに生き延びるための環境を整えます。
水道は川の水を利用、食料用に魚釣り、料理と暖・灯りとりのための薪を調達。
お手洗いは・・そこいらへん(笑)
道中、そのお手洗で恐ろしい目に遭ったのは、フォトグラファーのシャーピー。
海を見ながら用を足していたら・・・たった5m先に巨大熊が出現。
シャーピーはその熊と目が合ったまま、5分間微動だにできない状態。
それでも熊は全く動く様子がないので、下半身はそのまま、意を決してジワジワとすり足で移動。キャンプへどうにか戻ります。
この時点でも、キャンプと熊はまだ10mの距離。相変わらず離れる気配がなかったので、ラム・マンが、とうとう猟銃で威嚇射撃!
すると・・逃げるどころか、今度は両足で立ち上がった!!
ドキドキしながら威嚇用の爆竹を鳴らすと、やっと退散。
グリズリー・ベアー。
同じ森に寝床を構え、漁場を拝借していたのですから、新たな住民に興味を示すことは当然こと。
それでも万が一襲ってきたら・・彼らはどこへ行くにも、常にライフルとともに行動しました。
こちらはキッチン。
釣り上げる魚が鮭ばかりなので、朝食、ランチにディナーと、ひたすらシャケのごちそう。
どうりで、グリズリーが好んで生息するわけです。
ちなみに食器は、薪も兼ねた木製なのだ。
日が沈むと。夜行性のオオカミも付近へやってきて、遠吠え。
ある夜には、テントの外でクーガー(アメリカ・ライオン)による喧嘩さえありました。
そんななか、いよいよ最初の大きなウネリが到達!
そこで目にした光景は・・まるで無人のハワイ・バックドアのよう。
ダブルアップして底掘れする、リーフブレイク。
猟銃をサーフボードに持ちかえ、ラインナップへ向かいます。
文明と距離をおき、命を自然にさらした危険と引き換えに、海藻だらけのバック・ドア波を貸切で堪能することに成功したのです。
異なる国籍同士で過ごした、ワイルドライフの3週間。
猟銃で実際に森の生物を撃ち抜くことや、熊に襲われることもなく、威嚇射撃のみで無事帰還。
この旅で一番恐怖だったのは、海獣や猛獣ではなく、ティミーが干潮時にリップとともにボトムに打ちつけられ、被っていたヘルメットが割れたときだそう。
実はティミー。雨のハンティントンのバクテリアからブドウ球菌感染症にかかり、過去に6回もの脳手術を受け、再び海へ戻ったサーファー。
誰もが彼の脳のことが一番心配でしたが、医者もライフラインもない場所で、肋骨を数本折ったまでだったのは、ある意味奇跡。
そう、彼らは再び生き延びたのです。
「本当によい波になったのは、たった3日間だけでも。そこにはたとえようのない、素晴らしい価値がありました」-Sharpy
この物語は、ノンフィクションです。